HDDのスクラッチ(プラッター傷/プラッタ傷/磁性体剥離)からのデータ復旧
スクラッチ障害
概要
プラッター(記録円盤)に傷(スクラッチ)が生じたHDDは、多くの復旧業者で「復旧不可」と判断されます。スクラッチラボ(秋葉原データ復旧)では、プラッターの研磨を行わず、HDDの内部プログラム(ファームウェア)を直接コントロールするアプローチを導入。他社で復旧不可・開封済みの案件も含め、約7割の復旧率を実現しています。初期診断・お見積りは無料の完全成功報酬制です。
約1分でわかる|HDDのスクラッチ障害からデータを復旧する技術
プラッターに傷があるHDDでも、損傷の状態によってはデータを復旧できる可能性があります。詳しい説明を読む前に、まずは動画で概要をご覧ください。
スクラッチ障害
(磁性体剥離・
プラッター故障)とは
スクラッチ障害とは、HDD内部のプラッターに物理的な傷が生じた状態を指します。業者によって「磁性体剥離(じせいたいはくり)」や「プラッター故障」、「メディア損傷」などと呼ばれることもありますが、すべて同じ現象です。
プラッターとスクラッチの仕組み
データが記録されている円盤状の部品をプラッターと呼びます。プラッターは交換ができないため、ここに傷がつくと一般的なデータ復旧技術では対応できません。
スクラッチは、データの読み書きを行う針状の部品(ヘッド)がプラッターと接触することで発生します。レコード盤と針の関係をイメージすると分かりやすい構造です。
- 発生原因
- 落下などの強い衝撃、あるいは経年劣化や環境変化(寒暖差・湿度)による微小な歪みで、動作中のヘッドが接触することで起こります。
- 傷の形状
- プラッターが高速回転している状態で接触するため、基本的に同心円状(円形)の傷になります。
- 当店の判定基準
- 目視で視認できる傷をスクラッチと判定します。顕微鏡でしか確認できないような微細な擦れはクリーニングとヘッド交換で対応できるケースが多く、スクラッチ障害とは区別しています。
なぜ認識しなくなり
「カッコン」
と異音がするのか
スクラッチそのものがHDDの通電を止めているわけではありません。障害の直接的な原因は、スクラッチによってヘッドが破損し、正常に機能しなくなることにあります。
HDDが正常に起動するまでの流れ
故障の原因を特定するため、まずHDDがデータを読み込むプロセスの全体像を整理します。
| 段階 | 処理内容 | 止まった場合に疑われる故障 |
|---|---|---|
| ① 回転(スピンアップ) | 通電し、プラッターが正常な回転数に達する | 基板故障、モーター故障、ヘッド固着(スティクション) |
| ② 位置追跡 | ヘッドがプラッター上の位置情報を読み取り、正常な軌道に乗る | ヘッド故障 |
| ③ システム読み込み | プラッター上の制御用領域(ファームウェア)をロードする | ファームウェア(制御ソフト)障害、セクター劣化 |
異音が発生し、ヘッド交換だけでは直らない理由
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ヘッドの破損と異音
ヘッドがプラッターと接触して傷を作ると、同時にヘッド自体も壊れます。この状態で通電すると、HDDは「② 位置追跡」を行おうと試みますが、位置を見失ってヘッドが迷子になります。この反復動作が「カッコン、カッコン」という異音の正体です。
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単純なヘッド交換が効かない理由
壊れたヘッドを新品に交換しても、プラッター上のスクラッチを通過した瞬間に、新しいヘッドが再び破壊されてしまいます。仮に一瞬起動できたとしても、データ抽出中にヘッドが壊れ続ければ作業が成り立ちません。
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ファームウェア障害の併発
スクラッチができるほどの衝撃や接触が起きている場合、他の箇所にも微細なエラーが広範囲に発生しているケースがほとんどです。特にコントロール情報が書かれた「システムエリア」上に傷があると、ファームウェアを読み込めず動作が完全に停止します。
復旧を成功させる
3つの技術的アプローチ
スクラッチ障害からのデータ回収には、次の3つのハードルをクリアする必要があります。スクラッチラボでは、これらを一貫して処置できる体制を整えています。
1. プラッタークリーニング(ダストの除去)
ヘッドがプラッターを削った際、内部には微細なダスト(切削くず)が飛び散ります。これを残したまま作業すると、ダストを噛み込んで新たなスクラッチを生み出したり、ヘッドを汚損して読み取り能力を奪ったりします。
当店では、専用の作業環境下でプラッター上のダストを綺麗に洗浄・除去してから処置に入ります。
2. ファームウェア制御方式(位置追跡のバイパス)
傷によるヘッド破壊を防ぐため、一部の他社のような「プラッターの物理研磨」や「ヘッドの繰り返しの交換」ではなく、ファームウェアの制御によってアプローチします。
HDDのヘッドは1本ごとに担当する記録面が分かれています。ファームウェアを書き換えて、スクラッチが存在する面を担当するヘッドの読み取り動作・位置追跡義務をスキップさせます。
- メリット
- 傷の深さや状態に関わらず、制御さえ成功すれば安全に動作を継続できる。
- 留意点
- 傷のある面のデータは諦めることになるため、プラッター枚数が少ないHDDほど全体の復旧割合(パーセンテージ)は下がります。※HDDのモデルや傷の位置によっては、傷がある面を読み取れる場合もあります。
3. 併発したファームウェア障害の修復
システムエリアの損傷によって起動プロセスが進まない状態に対しても、直接ファームウェアレベルで修復・調整を行います。「ダスト除去」「ファーム制御」「ファーム修復」を組み合わせることで、困難とされるスクラッチ障害でも約7割の復旧率を維持しています。
復旧が困難なケース
当店の技術でも、下記に該当する場合はデータを救出できないことがあります。
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ファームウェアの制御ができないモデル(ヘリウム充填モデル、一部の最新型、極端に古い/マイナーなモデル)
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システムエリア(SA)自体が完全に破壊されており、起動ステップを進められない場合
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プラッター全面に傷が及んでおり、正常面が残っていない場合
大手・他社設備との
アプローチの違い
特別な大型装置ではなく「技術とノウハウ」で解決する
スクラッチ復旧に必要なのは、高価なプラッター研磨機や大きなクリーンルームではありません。研磨処理を行わないため、一般的なデータ復旧設備と適切なクリーン設備(クラス100のクリーンベンチ)があれば物理的な作業は十分対応可能です。重要なのは、モデルごとに異なるファームウェアの挙動・問題箇所を見極めるエンジニアの知見です。
他社不可・開封済み案件の対応実績
全国の同業者様やパソコン修理店様からも、スクラッチ・異音系の難易度の高い案件を定常的に引き受けています。他社様で「復旧不可」と返却された機器や、すでに内部が開けられている状態からでも、診断をお受けしています。
豊富な対応件数に
裏付けられた復旧技術
スクラッチラボには、スクラッチ障害への対応経験を豊富に持つ専門エンジニアが在籍しています。全国のデータ復旧業者様やパソコン修理業者様からの難案件も多数受託しており、単なるスクラッチだけでなく、制御プログラム(ファームウェア)の障害を併発した複雑な症例の復旧実績も豊富です。
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約170件の対応実績(2024年3月〜2026年3月)
2年間で170件以上のスクラッチ障害に対応し、モデルごとの特性や挙動に関する確かなノウハウを蓄積しています。
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「運任せ」ではない再現性の高いアプローチ
一発勝負の運任せやヘッド交換の繰り返しではなく、内部プログラムの制御による再現性の高い手法を採用。他社様で断られた案件であっても、ブレのない品質で着実にデータを救出します。
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モデルごとに最適な処置を選択
数多くの案件を経験しているからこそ、メーカーや型番ごとの構造的癖を把握し、個々の状態に合わせた最適な手順で作業を進められます。
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海外からのご依頼・受託実績(2026年〜)
2026年からは海外向けサービスも本格スタートし、実際に国境を越えて海外のお客様やパートナー企業様からの復旧依頼・成功実績を重ねています。国内外を問わず評価される確かな技術で難障害に対応します。
主な復旧事例
| 対象モデル | 発生していた症状 | 対応期間 | 対応概要 |
|---|---|---|---|
| Seagate ST3000DM001 | 異音(カッコン音)が発生し認識不能 | 6日間 | プラッター傷を確認。傷のある面をバイパスし迅速にデータ抽出 |
| Seagate ST31000520AS | 他社で復旧不可判定(開封済み) | 約1か月 | 内部のスクラッチダストを洗浄除去後、制御アプローチで復旧 |
| Western Digital WD20EZRX | 他社不可・ROM(制御データ)消失 | 約10日間 | ファームウェアの再構築と傷面の回避処理を併用してデータを回収 |
ご依頼の流れ・診断について
復旧可能なファイルリストを事前確認
傷のある面をスキップしてデータを取り出す構造上、一部のファイルに欠損が生じる場合があります。そのため納品前に、どのファイルが正常に開けるか(またはエラーを含むか)を記載した詳細なリストをご提示します。必要なデータが無事であるか確認した上で、正式に納品するかをご判断いただけます。
初期診断・お見積りは無料(完全成功報酬制)
費用が発生するのは、診断後に提示する復旧データリストをご確認いただき、納品を希望される場合のみです(完全成功報酬制)。
よくある質問
Qプラッターに傷がついていてもデータは戻りますか?
復旧できる可能性は十分にあります。傷のある面をソフトウェア・ファームウェア側で回避してデータを抽出するアプローチにより、スクラッチ障害の約7割でデータ救出に成功しています。ただし、傷が全体に及んでいる場合は復旧できません。
Q「スクラッチ」と「磁性体剥離」は違う症状ですか?
同じ症状を指す言葉です。回転するプラッターに読み取りヘッドが接触して表面が削れた状態を意味します。
Q「カッコン」と音がして認識しません。電源を入れ続けても大丈夫ですか?
直ちに電源を切ってください。異音がしている状態での通電は、壊れたヘッドがプラッターを削り続け、救出できたはずのデータまで破壊する原因になります。
Q他社で「復旧不可」と言われたり、すでに開封されているHDDでも相談できますか?
もちろん対応可能です。状態が良いこと(未開封)に越したことはありませんが、スクラッチラボでは「復旧業者選びは1社目がすべて」なんて言いません。すでに開封されている機器や、何社目でのご相談であっても歓迎いたします。まずは無料で初期診断を行いますので、諦めずにご相談ください。培ってきた技術をもって、できる限りの手を尽くします。
Qプラッターを研磨する業者と何が違うのですか?
研磨を行っても、傷がついた箇所のデータそのものが復元するわけではありません。研磨の目的は傷により隆起した箇所を平滑にし、交換したヘッドを損傷させないことにあります。研磨の代償としてプラッター全体に本来存在しなかった細かいキズをつけてしまうリスクがあります。そのため当店では研磨を行わず、ファームウェア制御で傷のある箇所を回避し、傷のない綺麗な領域から効率よくデータを回収する手法をとっています。プラッターのオリジナル状態を確保しつつ、安全にデータを抽出できます。
Qデータの欠損は発生しますか?
傷がある記録面のデータは抽出を回避するため、一定の欠損が発生します。ご発注前に「どのファイルが復旧できているか」の一覧リストをご確認いただけます。
Q診断や見積りに費用が発生することはありますか?
いいえ、初期診断・お見積りは無料です。完全成功報酬制のため、費用が発生するのは復旧データリストをご確認いただき、納品を希望される場合のみです。
お問い合わせ・受付窓口
店舗での持ち込み対応
スクラッチラボは、秋葉原駅(徒歩5分・6分)と高田馬場駅(徒歩1分)に受付店舗を構えております。 全店舗、事前予約なしでの受付が可能です。 お困りの際は、直接店舗までお越しください。
※データ復旧の専門設備はスクラッチラボ秋葉原店に集約されております。
ご依頼内容によっては秋葉原店に転送しての作業となりますので、予めご了承ください。
お急ぎの場合はスクラッチラボ秋葉原店へ直接ご来店ください。
※復旧データリストをご確認いただき、納品を希望される場合にのみ費用が発生いたします。
※キャンセルの場合、機器の送付・返却にかかる往復の送料は、お客様のご負担となります。