SDカードもmicroSDカードも挿さらない ― 超高解像度360度パノラマカメラ「XPhase」シリーズのUSBメモリー方式データ復旧ガイド
コラム|(更新:)
「XPhase」とは ― 200メガピクセル超の360度パノラマカメラが採用する特殊な記録方式
「XPhase」は、25個のレンズ・センサーを本体に搭載し、1回の撮影で200メガピクセル前後という非常に高い解像度の360度パノラマ画像を生成できるカメラシリーズです。建築物やイベント会場、不動産物件などをバーチャルツアー形式で撮影する用途を中心に、海外の360度撮影の専門家の間で利用されてきました。
一般的なアクションカメラや360度カメラの多くは、SDカード・microSDカード、あるいは本体内蔵メモリー(eMMCやSSD)にデータを記録します。ところがXPhaseシリーズは、これらのどちらにも当てはまりません。本体底部または背面のUSBポートに、着脱式の「USBフラッシュメモリー(USBドライブ・USBメモリー)」を直接挿し込み、そこへ撮影データを書き込む方式を採用している点が最大の特徴です。
この記事では、XPhaseシリーズの歴代モデルと記憶方式を整理したうえで、この特殊な記録方式ゆえに起こりやすいデータトラブルと、データ復旧のご相談にあたって知っておいていただきたいポイントをご紹介します。
XPhase歴代モデル一覧と記憶方法
XPhaseシリーズは、初代モデルの登場から現在まで、いずれの世代でもSDカードスロットを搭載せず、着脱式のUSBフラッシュメモリーで記録する方式を一貫して採用しています(記憶方式は全モデル共通のため、以下の表では省略しています)。表中のモデル名は「XPhase」を省略して記載しています。
| モデル/発売年 | レンズ・解像度 | USBメモリー容量 |
|---|---|---|
| Pro(初代) 2019年 |
25眼 134MP相当 |
標準32GB 上限128GB |
| Pro S 2019年 |
25眼 (初代と同じ) |
初代と同様 |
| Pro S2(X2) 2020年 |
25眼 (同上) |
対応USBの 形状が拡大 |
| Scan 2023年発表 |
3眼 16K相当 |
標準32GB 上限128GB |
| Scan 3D 2024年頃 |
3眼+レーザー (測距25m) |
標準32GB 上限256GB |
補足として、初代・Pro SのUSB挿入口はSanDisk製USBメモリーの形状に合わせて設計されており、他社製・他形状のUSBメモリーは物理的に挿入できない場合があります。Pro S2(海外表記では「X2」)ではこの挿入部の形状が見直され、より幅広い形状のUSBメモリーに対応できるようになりました。Scanでは特定ブランドへの限定は確認できませんでしたが、Scan 3Dの付属USBメモリーはSanDisk製USB3.1フラッシュメモリーであることを確認しています。また、Scan 3Dはパノラマ写真データに加えて点群データ(ポイントクラウド)・OBJファイル・深度マップといった3Dスキャンデータも同じUSBメモリーに記録するため、データ量が大きくなる傾向があります。
※本記載内容に誤りを含んでいる可能性もございます。詳しい仕様はお手元の機種の付属資料や購入店の情報もあわせてご確認ください。
※各モデルの現在の販売・サポート状況(現行品か生産終了かなど)について、確実な一次情報は確認できませんでした。
なぜUSBメモリー直挿し方式なのか ― 巨大なデータ量という事情
XPhaseシリーズがSDカードではなくUSBフラッシュメモリーを選んだ背景には、1枚あたりのデータサイズの大きさが関係していると考えられます。25個(またはScan系列では3個)のセンサーが同時に撮影した画像は、ステッチ(合成)処理前の状態で本体内の専用フォーマット(.ORI形式など)としていったん保存されます。この段階のデータは圧縮されたzipファイルに近い形式で、1枚あたりの容量が非常に大きくなります。
USBメモリーを直接本体に挿す方式には、撮影後にそのままUSBメモリーを抜いてパソコンに挿し替えれば、大容量のRAWデータやパノラマデータを高速に転送・処理できるという利点があります。SDカードリーダーを別途用意する必要がなく、USBメモリー自体もPC側で認識される汎用的な記憶媒体である点も、実務上のメリットとして挙げられます。
一方で、この方式には注意点もあります。USBメモリーは本体底部・背面に露出した状態で使用するため、抜き差しの際の接触不良や、USBメモリー自体の物理的な破損、認識不良といったトラブルが起こりやすい構造でもあります。
こんな症状が出たら ― XPhaseのデータトラブル例
XPhaseシリーズをお使いの方から想定されるデータトラブルには、次のようなものがあります。
- 撮影後にパソコンへUSBメモリーを挿しても、ドライブ自体が認識されない
- USBメモリーは認識されるものの、撮影した.ORI形式のファイルが表示されない、または開けない
- ステッチ(合成)処理用の専用ソフトでファイルを読み込んだ際にエラーが出る、または合成後の画像の一部が欠損している
- 撮影中や転送中にUSBメモリーを誤って抜いてしまい、一部のデータが破損した
- USBメモリー本体の端子部分が破損・変形し、パソコンに挿すこと自体ができなくなった
- 誤ってUSBメモリー内のデータを削除・フォーマットしてしまった
いずれの症状も、USBメモリーという着脱可能な記憶媒体を本体に直接使用する方式ならではのトラブルといえます。
SDカードの復旧とは何が違うのか ― USBフラッシュメモリー特有の注意点
USBフラッシュメモリーは、SDカードと同じくフラッシュメモリーチップにデータを記録する媒体である点は共通しています。そのため、データが物理的に記録されているチップ自体が壊れていない限り、専門的な解析によってデータを取り出せる可能性がある、という基本的な考え方はSDカードの場合と変わりません。
一方で、XPhaseシリーズのように特定のカメラ専用に近い形で使われるUSBメモリーの場合、次のような点に注意が必要です。
- 初代Pro系列のように、USB挿入口の形状が特定ブランドのUSBメモリーに合わせて設計されているモデルでは、市販の代替品に交換しても正常に認識されないことがあります。
- USBメモリーの内部構造(コントローラーチップの種類やメーカー)は、SDカードのそれとは異なる場合が多く、復旧にあたってはUSBメモリー側の構造解析が必要になります。
- 撮影データが専用フォーマット(.ORI形式など)で保存されているため、一般的な写真ファイル(JPEG等)とは異なる復元アプローチが必要になる場合があります。
スクラッチラボでは、こうしたUSBフラッシュメモリー特有の構造や、専用フォーマットのデータ構造を踏まえたうえで、復旧作業にあたっております。
ご自身での復旧作業にご注意ください
USBメモリーが認識されない、あるいはデータが表示されないといった症状が出た際、市販の復旧ソフトを試したり、USBメモリーを分解して端子部分を修理しようとしたりする方も少なくありません。しかし、こうした操作は状態を悪化させ、本来であれば復旧できたはずのデータが取り出せなくなってしまうリスクを伴います。
特にXPhaseのUSBメモリーには、撮影後まだステッチ(合成)処理を行っていない、貴重な元データが記録されています。合成前のデータは撮影現場でしか取得できないものも多く、失われると再撮影が困難なケースも少なくありません。異常に気づいた時点で、通電や書き込みを避け、早めにご相談いただくことをおすすめします。
スクラッチラボが選ばれる理由
秋葉原データ復旧スクラッチラボが多くのお客様に選ばれている理由は、次の5点です。
- 高度な基板修復・チップオフ技術:USBメモリーや記録媒体の基板・チップレベルでの修復技術を有しており、物理的な破損にも対応いたします。
- 対象メディア特有のデータ構造解析:USBフラッシュメモリーや専用フォーマットなど、機器ごとに異なるデータ構造を解析したうえで復旧作業を行います。
- 情報管理体制(NDA対応):お預かりするデータには業務上・個人情報上重要なものも含まれるため、秘密保持契約(NDA)にも対応した情報管理体制を整えています。
- 初期診断無料・完全成功報酬制:データが復旧できなかった場合は原則として費用が発生しない、完全成功報酬制を採用しています。
- お支払い前に「復旧データリスト」を確認可能:ご入金前に、実際に復旧できたデータの一覧をご確認いただけます。
お客様からいただいたGoogleレビュー(星5)は、以下よりご覧いただけます。
https://share.google/EH9lSquxPh8dO7KdR
ご依頼の流れ
- お問い合わせ:お電話またはWebフォームより、USBメモリーやカメラ本体の状態、発生している症状をお知らせください。
- 初期診断(無料):USBメモリー・カメラ本体をお預かりし、無料の初期診断を行います。
- 復旧データリストのご提示:診断の結果、復旧が見込めるデータの一覧をお客様にご確認いただきます。
- ご了承・ご入金:復旧データリストの内容にご納得いただいたうえで、正式にご依頼・お支払いいただきます。
- データ納品:復旧したデータを、USBメモリーや外付けドライブなどご希望の媒体でお渡しいたします。
全国からの配送によるご依頼にも対応しております。まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
超高解像度360度パノラマカメラ「XPhase」シリーズは、SDカードやmicroSDカード、本体内蔵メモリーではなく、着脱式のUSBフラッシュメモリーを本体に直接挿し込んで記録するという、他の多くのカメラとは異なる特殊な方式を採用しています。初代のXPhase Proから最新のXPhase Scan 3Dに至るまで、世代を通じてこの基本構造は一貫していますが、対応するUSBメモリーのブランドや容量、互換性は世代によって異なります。
この方式ならではの接触不良やUSBメモリーの物理破損、専用フォーマットのファイル破損といったトラブルが発生した場合は、ご自身での復旧を試みる前に、記録媒体の構造を踏まえた専門的な診断を受けることをおすすめします。
そのデータ、
まだ諦めないでください
現在、お手元のHDDやSSDなどで、認識しない・異音がするといったトラブルが発生していませんか?
症状が出たまま使用や通電を続けると、状態が悪化して復旧が難しくなることがあります。
手遅れになる前に、ぜひご相談ください。
お見積りも、作業費も、0円※です。 ※復旧データリストをご確認いただき、納品を希望される場合にのみ費用が発生いたします。
キャンセルの場合、機器の送付・返却にかかる往復の送料は、お客様のご負担となります。