認識しないジャンクHDD、データは本当に消えているのか?復旧のプロが検証しました
コラム|
中古・ジャンク品のHDDに「データが残っている」ことがあります
▶ 認識しないジャンクHDD 中身は消えてる?プロの復旧業者が本気で検証してみた(YouTube)
▶ 秋葉原データ復旧スクラッチラボ 公式YouTubeチャンネル
フリマアプリやネットオークションでは、多くのハードディスク(HDD)が「ジャンク品」「データ消去済み」として出品されています。しかし、通電しただけで異音がするような、明らかに故障した状態のHDDであっても、内部にデータが残ったままになっている場合があります。
秋葉原データ復旧スクラッチラボでは、実際に中古のジャンクHDDを購入し、通電確認から内部の状態確認、データの読み出しまでを行う検証を実施しました。本記事では、その検証の過程と結果をご紹介します。
状態確認:通電すると異音がするHDDだった
フリマアプリで購入した中古HDDのうち1台を対象に、検証を行いました。まず、届いた個体のシリアルナンバーが出品ページに記載されていたものと一致することを確認しています。
次に通電したところ、異音が確認されました。これは、内部の磁気ヘッドやプラッター(記録用の円盤)に物理的な不具合が生じていることを示すサインです。試しに正常なHDDと並べてパソコンに接続してみると、正常なHDDはドライブとして認識される一方、このHDDはアイコンすら表示されず、認識されませんでした。
市販の復旧ソフトは、ディスクがパソコンに認識されることを前提としています。今回のようにディスク自体が認識されない状態では、ソフトによるスキャンを開始することもできません。
内部確認:プラッターに深い傷が見つかる
ソフトでの対応が難しい場合、専門的な物理障害への対応が必要になります。今回は、ディスクを開封し、内部の状態を直接確認しました。
ケースを開けると、記録面であるプラッターの表面に深い傷が確認できました。これが、通電時の異音や、パソコンに認識されなかった原因です。この傷の状態に応じた処置を行った上で、改めてHDDを起動しています。
あわせて、磁気ヘッドにも物理的な調整を施しています。これは、傷のある記録面に、さらなる傷を生じさせないための処置です。具体的には、アーム先端にある破損した磁気ヘッドを切り落とし、不良ヘッドを取り除いた上で、無事な記録面からデータを読み出せる状態を整えました。この物理処置の工程はこちらから
結果:認識され、データの読み出しに成功
処置後にシリアルナンバーを再度確認し、対象の個体であることを確認した上で、HDDがパソコン上で認識されることを確かめました。続けてデータの読み出しを行ったところ、実際にファイルが読み出せる状態であることが確認できました。
フォルダの中には、前の持ち主が撮影・保存していたとみられる写真データが残っていました。「壊れているから大丈夫」として手放されたHDDであっても、専門的な環境と技術があれば、データが取り出せてしまう場合があるということです。
ご自宅や職場に眠るHDD、処分の際はご注意ください
今回の検証で分かるのは、「データを消したつもり」「壊れているから大丈夫」という状態のHDDであっても、内部にデータが残っている可能性があるということです。ファイルを削除した場合やHDDが物理的に故障している場合でも、データそのものが完全に消去されているとは限りません。
使わなくなったHDDやパソコンを処分・売却する際は、事前にデータの状態を確認するか、確実にデータを消去できる方法(物理的な破壊など)を選ぶことをおすすめします。ご自身での対応に不安がある場合は、データの取り扱いに詳しい専門業者にご相談ください。
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