Seagate ST8000NE001 異音がする症状からの復旧
復旧事例|
復旧事例の概要
| 復旧対象 | Seagate ST8000NE001 8TB |
|---|---|
| 故障症状 | 通電後に異音が発生し、認識されない。 |
| 診断内訳 | スクラッチ障害 スクラッチ |
初期診断と復旧プロセス
内部点検1
他社様で復旧不可となったHDDです。
(本ページの一番上の画像は開封済みでねじも取り外されていますが、入庫時は未開封でした。)
まずは通電してみると、やはり異音が発生します。
異音がする状態でヘタに通電をおこなってしまうと、プラッターを傷つけてしまうおそれがあるため、早々に内部点検に移ります。
HDDを開封し、ヘッドを取り外してみます。
このHDDは5枚プラッターが内蔵されていて、裏表あわせて計10面がデータの記録に使用されています。
ヘッドの先をよく見ると、10本のうち下から3番目(0番からカウントしていくのでH2)のピン先が曲がっています。
実はこのモデルのHDD、弊社では初めて取り扱いました。
まとめて買って常備していたこのヘッドコームだと微妙にヘッド間が薄くていまいちな感じです。
内部点検2
プラッターの状態を確認してみると、下から数えて9番目(0番からカウントしていくのでS8)に傷が発生していました。
H2のピンが曲がっていたからS2に傷ができているのではないかと思うところで、実際そういうパターンが多いのですが、今回は全然違うところにダメージが発生していました。
内部点検3
この段階まで来てようやく気付いたのですが、どの面もプラッターの縁が汚れています。
HDDの中にはランプと呼ばれる部品があり、プラッターが回転していないときにヘッドが留まるところがあるのですが、おそらく衝撃等でそのランプとプラッターが接触し、写真のような汚れが発生するのだと思います。
この汚れはランプの下であれば問題ないのですが(プラッターの端ではヘッドはまだランプに乗っかっている)、汚れが広がってくると、スクラッチの原因となります。
念のため、クリーニングを実施しました。
データ抽出作業
いつもどおりスクラッチ用の処置を施して起動させてみますが、このモデルは少々勝手が異なるドライブでした。
とはいえ、その問題を解消し、無事データ抽出を行うことができました。
他の記録面のデータを読むことで、ユーザーデータがプラッターの内側(スピンドル側)まで分布していることが判明したので、傷の発生していたS8の記録面も内側のデータを抽出を試みました。
復旧結果とチーフエンジニアの所感
復旧結果
データ抽出の工程では、最終的にデータ使用領域の95.5%のセクターを回収することができました。
抽出したデータからファイルを取り出し、最終的に約590,000件 (5.1TB)のファイルをフォルダー構造を維持したままで正常に復旧することができました。
32,000件(470GB)程度は破損ファイルとなってしまいましたが、S8の外側は回収できないので仕方がありません。
お客様が特に必要としていたデータは完璧に回収できたので、その点は良かったかなと思います。
担当エンジニアより
今回はSeagate製のHDDで、「Cimarron」というファミリーでした。
このモデル「ST8000NE001」以外にも「ST8000VN004」等にもCimarronファミリーのHDDがあるようです。
8TBのSeagate HDDでお困りの際は、是非スクラッチラボにご相談ください!
執筆者プロフィール
情報処理安全確保支援士。新卒で警察庁技官としてフォレンジック業務に従事。情報通信局長賞をはじめ、警察大学校附属の情報通信学校長賞など多数の表彰経験がある。その後、大手データ復旧業者を経て、株式会社FIXに入社。同社にてHDDやSSD、フラッシュメモリ、RAIDの論理障害から物理障害まで復旧業務の全工程に携わる。特にHDDの重度物理障害を得意とし、プラッターに傷が発生したスクラッチ障害を年間100件近く取り扱い、その多くを復旧に導いている。
Seagate ST8000NE001 異音がする症状からの復旧
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