データ復旧業者の契約トラブル事例と当社の見解

復旧事例|2026年06月8日

2026年6月、データ復旧業界において、特定の業者に関わる過大な広告表現や不透明な契約手続きを巡る法的トラブルおよび和解の事例が報道されました。
大切なデータを失った依頼者に対して誤認を与えるような営業手法や、診断プロセスの不透明さが指摘されたことは、業界全体の信頼性に関わる重要な課題です。

 

本稿では、こうしたトラブルを防止し、依頼者が適切な選択を行うための客観的なチェックポイントについて、当社(スクラッチラボ)の運用の事実と対比しながら解説いたします。

広告・営業表現における客観性と事実の提示

データ復旧率として極めて高い数値を提示しながら、その算出根拠(一部復旧をすべて成功に含める等)を明確に示さないケースや、口頭で「国内最高」「世界的な特殊技術」といった客観的な裏付けのない表現を用いて契約を促す手法は、消費者契約法上の「不実告知」に該当するリスクがあります。

 

当社においては、提示する実績や数値データはすべて客観的な事実に基づいたもののみを開示しております。
また、確実な根拠のない誇大表現や、他社と比較して優位性を不当に強調するような営業トークは行いません。

契約手続きにおける適正性の確保と猶予期間

見積書の有効期限を「当日限り」と制限し、依頼者に十分な検討時間を与えずに即答を迫る手法や、高額な見積もりを提示した後にデータ復旧とは直接関係のない定額制サービス(クラウド等)の契約を条件に大幅な値引きを提示する手法が問題視されています。
これらは依頼者の冷静な判断を妨げる要因となります。

 

当社の提示する見積には、当日限りといった極端な制限は設けておりません。
依頼者が十分に検討できるよう、適切な猶予期間を設けております。
また、不自然な値引き交渉や、不要なサービスの抱き合わせ契約を条件提示に組み込むことも一切ございません。
常に明朗会計を原則とし、必要な作業に対する適正価格をご提案します。

初期診断における告知義務と誠実性

初期診断の段階でデータ復旧が客観的に不可能であると判明しているにもかかわらず、その事実を事前に告知せず、有償の作業契約を締結したのちに「復旧不可」として費用を確定させるプロセスは、契約上の信義則に反するものと言えます。

 

当社では、初期診断の段階で復旧の可能性が極めて低い、あるいは不可能であると判断された場合は、その技術的根拠とリスクを速やかに依頼者へ開示いたします。
復旧の見込みがないと分かっていながら、作業費用の発生を目的とした契約手続きを進めることはいたしません。

磁気ディスク上のスクラッチ(傷)に対する技術的見地

一連の裁判報道等においては、「ハードディスク(HDD)内のプラッタ(磁気ディスク)に目視できる傷(スクラッチ)がある場合は復旧不可と判断されるのが通常である」という旨の主張がなされました。

 

一般的な基準としてスクラッチが重篤な障害であることは事実ですが、技術的な観点から言えば、専用設備と制御技術を用いることで、傷がある状態からでもデータを一定数救出できる事例は存在します。

 

当社サービスの屋号である「スクラッチラボ」は、この他社で復旧困難とされる磁気ディスク上の傷(スクラッチ)に対して、専門的なアプローチを試みるスペシャリストであるいう意図から命名されました。
実際にこれまで、スクラッチ障害の生じた媒体からの復旧実績を多数重ねております。
ただし、前述の通り、診断の結果として物理的に不可能な場合はその旨を厳格にお伝えし、不確実な作業を強いることはいたしません。

 

また、復旧の可能性(成功確率)は低いものの、限定的なデータであれば救出できる見込みがあるというケースにおいては、事前にその技術的リスクや予測される成果を推測可能な限り正確に開示し、ご依頼者様のご承諾をいただいた上で初めて作業に着手するプロセスを徹底しております。

 

データ復旧サービスは、依頼者の重要な資産や無形の記録を扱う性質上、その作業プロセスおよび契約内容の透明性が強く求められます。

 

当社では、広告表現の適正化、見積もりプロセスの明確化、そして実機診断に基づく正確な事実告知を徹底しております。
業界全体の信頼性向上に寄与すべく、今後も法的な適合性と技術的な誠実性を前提としたサービスを提供してまいります。
他社様で復旧困難と診断された事例につきましても、客観的なセカンドオピニオンとして対応が可能でございます。