Western Digital WD80EAAZ 異音とPC認識不良からのデータ復旧
復旧事例|2026年07月17日
復旧事例の概要
| 復旧対象 | Western Digital WD80EAAZ-00BXBB0 8TB |
|---|---|
| 故障症状 | 通電後に異音が発生し、認識されない。再起動を繰り返す症状。 |
| 診断内訳 | ファームウェア障害 中度 |
初期診断と復旧プロセス
初期診断
他社様にて復旧不可ということで、このHDDをお預かりました。
通電すると異音が発生するというものです。
カバーをしめるネジに被さっているシールが剥がされておらず、未開封の状態でした。
通電時の異音
通電したときの異音の音声です。
周りの雑音が少々うるさいですが(イヤホンで聞いた方が良いかもしれません)、ピッピッと複数回鳴っていることが分かるかと思います。
ヘッドがこのような異音を出すのはヘッドが故障しているからと判断されることが多く、実際、データ復旧業者様でもそのような判断をされることが少なくありません。
しかし、HDD起動時のシーケンスを考慮すると、これは必ずしもヘッドが問題ではないと想定がつきます。
HDDの起動の手順は、HDDのスクラッチ・磁性体剥離・プラッターの傷・プラッター故障からの復旧にも記載していますが、ヘッドが完全に故障しているケースでは、ヘッドがプラッター上の位置情報を捕捉することができないため、もっと早い段階でカクカクします。
今回は、その後にピッピッと鳴っていましたので(下記の音声からだと分かりにくいですが)、どちらかというとファームウェアを読み込む段階で問題が発生している可能性が高いと言えるわけです。
(かと言ってヘッドに問題が無いとは言えないのが難しいところです…。例えば、ヘッドが完全には故障していないが劣化しており、ファームウェアを読めない、ということも考えられます。)
ファームウェア障害の対処
ある程度の的を絞れたところで、ファームウェアの問題をバイパスする処置を行いますが、申し訳ないですが詳細は省きます。(まだこのモデルに対応できる業者様は多くは無さそうなので…。)
このモデルのファームウェアの面白いところは、これまでのWestern Digital製のHDDには無かった特徴(しかも気づきにくい!)があり、それがキーポイントになっていることです。
ファームウェアの処置後は、比較的状態が安定していましたので、落ち着いてデータ抽出を行うことができました。
復旧結果とチーフエンジニアの所感
執筆者プロフィール
情報処理安全確保支援士。新卒で警察庁技官としてフォレンジック業務に従事。情報通信局長賞をはじめ、警察大学校附属の情報通信学校長賞など多数の表彰経験がある。その後、大手データ復旧業者を経て、株式会社FIXに入社。同社にてHDDやSSD、フラッシュメモリ、RAIDの論理障害から物理障害まで復旧業務の全工程に携わる。特にHDDの重度物理障害を得意とし、プラッターに傷が発生したスクラッチ障害を年間100件近く取り扱い、その多くを復旧に導いている。
Western Digital WD80EAAZ 異音とPC認識不良からのデータ復旧
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