Western Digital WDBBKG0080HBK 認識不可からのデータ復旧
復旧事例|2026年06月25日
復旧事例の概要
| 復旧対象 | WD WDBBKG0080HBK-XB(内蔵WD80EDAZ) 8TB |
|---|---|
| 故障症状 | PCに接続すると認識はするものの、重大なハードウェアエラーが表示されデータへアクセスできない。 |
| 障害の種類 | 中度物理障害(ヘッドの劣化による重度セクター不良) |
初期診断と復旧プロセス
初期診断と状況確認
お預かりしたHDDをデータ復旧専用装置「PC-3000」に接続したところ、ディスクドライブとしては正常に認識することを確認しました。
しかし、ファームウェアのバックアップを確保したのち、速やかにデータ抽出作業を開始したところ、比較的多数のリーディングエラーが発生する状態であることが判明しました。
データ抽出作業
このモデルはプラッターが4枚内蔵されており、プラッターの裏表を合わせて計8面がデータの記録に使用されています。
それぞれの記録面に対してデータの読み書きを行うヘッドが配置されていますので、ヘッドも計8本存在しますが、そのうちの1本が弱っている様子でした。
この弱ったヘッドが読み書きを担当するセクターでリーディングエラーが多数発生し、さらにその中にはファイルの管理領域となっているセクターが含まれていました。
その結果、ボリュームに関する情報を取得する際にエラーが発生し、データにアクセスすることができなかったのだと推測されます。
通常劣化しているヘッドがありまともにセクターを読み込めない場合は、HDDを開封してヘッド交換等の処置を行い、状態の改善を図ります。
しかし本件においては、ヘッドは劣化しているものの致命的なレベルではなかったため、ヘッド交換は実施せず、そのまま読み込み作業を進める判断をしました。
復旧結果とチーフエンジニアの所感
データ抽出と復旧結果
最終的にはデータ使用領域の99.9%以上のセクターを回収することができ、大部分のデータを復旧することができました。
一方で、ファイルの管理領域は91.8%の回収率に留まり、約8%強のファイルは捕捉することが出来ませんでした。
そこで、この欠損分を補うために回収したデータの解析を別途実施し、可能な限りデータを復旧しました。
- 正常に復旧: 約130万件(3.6TB)
- フォルダー構造やファイル名を喪失した状態での復旧: 約7万件(200GB)
担当エンジニアより
今回はヘッドが弱り、リーディングエラーが多数発生するHDDでした。
ヘッド交換をした方がより良い復旧結果となる可能性が高いため、これを実施すべきかどうか悩みどころでしたが、結果的にはヘッド交換を行わずとも重要なデータをしっかりと回収することができ、お客様にもご満足も頂くことができました。
いたずらに復旧費用が高くなるような選択を避けることができ、お客様としても弊社としても、最善の結果になったのではないかと思います。
ちなみにこのHDDは「AvalonRP」というファミリーに属しており、データ復旧用装置pc-3000でも正式にサポートされていません。
本件も他の業者様で対応できなかったということで、当店にご来店頂いたという経緯がございます。
まだまだ難しいところもありますが、対策方法がある程度確立してきております。
このモデルのHDDでお悩みの方は、ぜひスクラッチラボまでご相談ください。
執筆者プロフィール
情報処理安全確保支援士。新卒で警察庁技官としてフォレンジック業務に従事。情報通信局長賞をはじめ、警察大学校附属の情報通信学校長賞など多数の表彰経験がある。その後、大手データ復旧業者を経て、株式会社FIXに入社。同社にてHDDやSSD、フラッシュメモリ、RAIDの論理障害から物理障害まで復旧業務の全工程に携わる。特にHDDの重度物理障害を得意とし、プラッターに傷が発生したスクラッチ障害を年間100件近く取り扱い、その多くを復旧に導いている。
Western Digital WDBBKG0080HBK 認識不可からのデータ復旧
現在、お客様の手元で上記と全く同じ症状、あるいは同型のHDDのトラブルが発生していませんか?
スクラッチ障害は、1秒ごとの通電がデータの破壊を進めます。手遅れになる前に、ぜひご相談ください。
お見積りも、作業費も、0円※です。 ※復旧データリストをご確認いただき、納品を希望される場合にのみ費用が発生いたします。
キャンセルの場合、機器の送付・返却にかかる往復の送料は、お客様のご負担となります。