〖復旧事例〗Buffalo HD-LB1.5TU2(WD15EARS)|基板故障による認識不良からのデータ復旧

復旧事例|2026年05月26日

WD15EARS 基板故障復旧事例
出典:秋葉原データ復旧スクラッチラボ

Buffalo製外付けHDD(HD-LB1.5TU2)が突然認識しなくなり、一部分だけ異常に熱くなる……。そんな深刻な症状からの復旧事例です。基板故障の特定から固有情報の移植まで、現場の対応を詳しく解説します。

WD15EARS
基板故障
異常発熱
データ救出成功

1. ご相談の経緯と診断結果

お預かりしたHDDはPCへ接続しても正常に認識されず、基板の一部が触れないほど発熱している状態でした。診断の結果、内蔵されているWestern Digital製「WD15EARS」の基板(PCB)回路の損傷を確認しました。

WD15EARS 基板診断比較
基板診断時の比較状態

発熱の原因は電源系または制御系部品の短絡(ショート)によるもので、このまま通電を続けるとプラッター(記録面)に致命的なダメージを与える恐れがある危険な状態でした。

2. 作業内容

基板交換と固有情報の移植

適合するドナー基板を用意し、単なる交換だけでなく、元の故障基板から「HDD固有の制御情報」を精密に移植しました。WD製HDDは、この情報が一致しないとヘッドが正常に動作しないため、非常に繊細な作業が求められます。

WD15EARS 基板制御部
基板制御部の回路解析

イメージ取得と解析

修復した基板を取り付け、HDDの正常認識を確認。即座に専用設備で全領域のディスクイメージを取得し、不安定な挙動が出る前に全てのデータを確保しました。

3. 復旧結果

幸い、磁気ヘッドやプラッター自体には損傷が波及しておらず、フォルダー構造を含めて100%に近い精度で復旧することができました。

判定 ファイル数 容量
Good (正常) 118,176 files 924.82 GB
Bad (破損) 0 files 0 B
Total 118,176 files 924.82 GB

4. 技術者からのひとこと

HDDの一部が異常に熱くなる症状は、基板上の電子部品が限界を迎えているサインです。この状態で何度も電源を入切りすると、最終的に内部のヘッドが暴走し、物理的なデータ破壊(スクラッチ障害)に繋がることがあります。

  • 「焦げ臭い」「熱い」と感じたらすぐにケーブルを抜くこと。
  • WD製基板故障は情報移植が不可欠。市販の同型基板を付けるだけでは直りません。

諦める前に、まずは専門設備を持つ当ラボへご相談ください。


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執筆者プロフィール

情報処理安全確保支援士。新卒で警察庁技官としてフォレンジック業務に従事。情報通信局長賞をはじめ、警察大学校附属の情報通信学校長賞など多数の表彰経験がある。その後、大手データ復旧業者を経て、株式会社FIXに入社。同社にてHDDやSSD、フラッシュメモリ、RAIDの論理障害から物理障害まで復旧業務の全工程に携わる。特にHDDの重度物理障害を得意とし、プラッターに傷が発生したスクラッチ障害を年間100件近く取り扱い、その多くを復旧に導いている。

チーフエンジニア

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