〖復旧事例〗DELL Inspiron 5505 内蔵SSD(CL1-30512-Q11)|ロゴ画面から進まない状態からのデータ復旧
今回対応したのは、DELL製ノートPC「Inspiron 5505」です。
電源投入後にDELLのロゴマークまでは表示されるものの、その先へ進まず、Windowsが正常に起動しない状態でご相談をいただきました。
内蔵されていたSSDは「CL1-30512-Q11」。
重要データが保存されているとのことで、本体修理ではなく、まずはデータ復旧を優先して作業を進めました。
下の写真が今回ご相談いただいた DELL Inspiron 5505 本体です。

一見すると大きな破損はありませんでしたが、内部ストレージ側でトラブルが発生している可能性が高い状態でした。
ご相談時の症状
お客様からは、次のような症状でご相談をいただきました。
- DELLロゴ画面から先へ進まない
- Windowsが正常起動しない
- 内部データを優先して取り出したい
ロゴ画面で停止する症状は、OS破損だけでなく、
SSD内部の制御異常や暗号化環境の影響によって発生することがあります。
まずは本体を分解し、内部状態とストレージ構成を確認しました。
下の写真は、底面ケース側の様子です。

外装側には大きな変形や破損は確認されず、
落下や液体こぼれによる直接的な物理破損ではない可能性が高いと判断しました。
内部状態の確認
続いて、本体内部へアクセスし、SSD周辺の状態を確認しました。
薄型ノートPCでは内部スペースが限られているため、
分解時にはケーブルやコネクタへ不要な負荷をかけないよう慎重に作業を進めます。
下の写真が、内部構成の様子です。

内部確認では、SSD周辺に焦げ跡や腐食、
液体侵入の痕跡などは確認されませんでした。
そのため、SSD内部の制御または暗号化環境に関連するトラブルである可能性が高いと判断しました。
診断内容
PC本体からSSDを取り外し、
データ復旧専用装置へ接続して詳細診断を実施しました。
その結果、SSD自体は正常に認識しており、
重大な物理障害や深刻な不良セクタは確認されませんでした。
そこで、SSD内部のデータを安全に抽出し、
ディスクイメージを作成しました。
しかし、取得したデータは暗号化されており、
そのままではファイル内容を参照できない状態でした。
今回は、お客様より回復キーをご提供いただけたため、
取得したディスクイメージに対して復号処理を実施しました。
復号後は、専用ツールを用いてファイルシステムを解析し、
フォルダー構造を維持したままデータ抽出を行いました。
作業内容
1. SSDからのデータ抽出
まずはSSDへの負荷を抑えるため、
専用装置を使用してディスクイメージを取得しました。
今回はSSDの応答状態が比較的安定していたため、
全体データを良好な状態で取得することができました。
2. 回復キーを使用した復号処理
取得したデータは暗号化されていたため、
ご提供いただいた回復キーを使用して復号処理を実施しました。
暗号化環境では、SSD自体を正常に読み出せたとしても、
回復キーが存在しなければデータ内容を確認することはできません。
今回は正常に復号処理を行うことができ、
通常のファイル構造として解析可能な状態へ移行できました。
3. ファイル解析と抽出
復号後のデータを解析し、
フォルダー構造やファイル情報を確認しました。
ユーザーデータ領域は非常に良好な状態を維持しており、
大部分のファイルを問題なく抽出することができました。
復旧結果
今回の案件では、以下のデータを復旧することができました。
[Summary] Good: 385,893 files (244.98 GB) Bad: 0 files (0 B) ------------------------------------------ Total: 385,893 files (244.98 GB)
Good は正常な復旧が見込まれるファイル、
Bad は破損ファイルを示しています。
今回は Bad 判定ファイルは確認されず、
非常に良好な復旧結果となりました。
技術者コメント
最近のノートPCでは、
ストレージ全体が暗号化されているケースが増えています。
この場合、SSD自体を正常に読み出せても、
回復キーがなければデータへアクセスできないことがあります。
また、ロゴ画面から進まない症状では、
OSだけでなくストレージ制御側や暗号化環境に問題が発生しているケースも少なくありません。
今回のようにSSD自体の状態が良好であれば、
適切な復号処理と解析によってデータ復旧できる場合があります。
Windowsが正常起動しない、
ロゴ画面から進まない、
BitLocker環境でアクセスできない、
といった症状でお困りの際は、
早めのご相談をおすすめします。
まとめ
本事例は、DELL Inspiron 5505 に搭載された CL1-30512-Q11 SSD からのデータ復旧事例でした。
ロゴ画面から進まない状態でしたが、
SSD自体は正常認識していたため、
専用装置によるデータ抽出と回復キーを用いた復号処理を実施し、
良好な状態でデータ復旧を行うことができました。
暗号化環境では、ストレージ障害だけでなく、
回復キーの有無も非常に重要になります。
Windowsの起動不良や暗号化ストレージのトラブルでお困りの際は、
秋葉原データ復旧スクラッチラボまでお気軽にご相談ください。