Seagate ST2000DM001 スクラッチ障害(磁性体剥離)データ復旧
復旧事例|2023年12月14日
概要
症状/障害判定
PCから認識しない。開封後、スクラッチ障害(磁性体剥離)と判定。
作業期間
2週間程度
復旧結果
正常なファイルを610GB程度復旧
作業内容
初期診断として通電してみたところ、カチッカチッという異音が発生しました。
このモデルはプラッターと呼ばれるHDDのデータを記録する円盤にダメージが入っているケースが多く見受けられます。
開封してプラッターの状態を確認してみたところ、複数の面にスクラッチ(磁性体剥離)が発生していました。


全面にわたってスクラッチがある面のデータは諦めるざるを得ませんでしたが、内側のみにスクラッチがある面については、外側の縁からスクラッチまでの区間は読み取り可能と判断。
状態の良い面のデータを抽出後、このスクラッチのある面のデータ抽出まで実施しました。
スクラッチがあるHDDからのデータ復旧は、このような傷の影響で早期にヘッドが故障するため、単純なヘッド交換作業のみで対応することは困難です。
というのも、HDDを構成しているヘッドが一本でも故障してしまうと、HDDが正常にデータを読み取れるような状態ではなくなってしまうからです。
したがって、スクラッチ障害をバイパスするためには、諸々の修正を行ったうえで起動しなければなりません。
(とはいえ、スクラッチの程度によっては、ヘッドを何回も交換することで対応可能です。しかし、スクラッチによるダメージの拡大や、スクラッチから生じる粉塵によって、状態の良い面にもダメージが広がる可能性もあるので注意が必要です。)
また、スクラッチのある面からのデータ抽出はさらに難易度が上がります。
スクラッチの影響を受けにくくするよう特殊な手順で処置を施し、なおかつ、スクラッチとヘッドの位置関係を考慮しながらデータ抽出を実施する必要があります。
スクラッチ障害のある場合は、完全なデータ復旧はできず欠損するデータもありますが、生きている部分からデータを取り出すことができます。
このように弊社では、他社で復旧不可とされがちなスクラッチ障害であっても、復旧できる可能性があります。
また、このSeagateのモデルは対応件数が多いですが、ほかにも様々なメーカー・モデルのHDDでスクラッチ障害に対応可能です。
お困りの際は、ぜひご相談ください。
執筆者プロフィール
情報処理安全確保支援士。新卒で警察庁技官としてフォレンジック業務に従事。情報通信局長賞をはじめ、警察大学校附属の情報通信学校長賞など多数の表彰経験がある。その後、大手データ復旧業者を経て、株式会社FIXに入社。同社にてHDDやSSD、フラッシュメモリ、RAIDの論理障害から物理障害まで復旧業務の全工程に携わる。特にHDDの重度物理障害を得意とし、プラッターに傷が発生したスクラッチ障害を年間100件近く取り扱い、その多くを復旧に導いている。
Seagate ST2000DM001 スクラッチ障害(磁性体剥離)データ復旧
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