業界トップクラスのデータ復旧率!最新の設備とベテランエンジニアが大切なデータを復旧・復元します。
本記事でご紹介する復旧事例は、回路故障を起こしたSamsung製SSD MZ-NLH2560 です。
認識しないということで復旧対象のSSDを観察したところ、腐食を確認。
回路故障を起こしていることが判明しました。(弊社の基準ではSSDの重度物理障害に該当します。)
1か月程度
正常なファイルを200GB程度復旧(ファイル数は500,000件程度)
I/Oエラーも無かったので完全復旧でした。
上の写真の赤い線で囲ったところで腐食や塩が析出している様子を確認できます。
こういった箇所があると、本来はつながっていない回路が短絡し、SSDが正常に起動できなくなります。
まずはSSD全体を洗浄するために、SSDを音波洗浄機にかけます。
つづいて、析出した塩を洗浄できたら、テスターで短絡箇所が無いか入念にチェックしていきます。
本案件のSSDは目立った短絡箇所もなく、フラッシュメモリの周囲にも電位(2.5V, 1.8V, 1.2V)があることを確認しました。しかし、SSDは認識されません。
safe mode と呼ばれる方法でSSDを起動させると、今度は認識します。
SSDは大まかにデータを保持する「フラッシュメモリ」、入出力を制御する「コントローラー」で構成されますが、safe mode はフラッシュメモリとの接続を無効にした状態で起動する方法です。
通電時に特定のピンをショートさせるとこのモードで起動することができます。
ただし、このモードはフラッシュメモリを無効にしているので、通常ユーザーデータにはアクセスすることはできません。
safe mode では認識できたことを踏まえると、どうやら、SSDの端子からコントローラーまでの区間の回路は問題なさそうです。
ということはコントローラーからフラッシュメモリまでの区間に問題があるのか…?
いろいろと考えた結果、コントローラーチップを基板から剥がすことにしました。
コントローラーチップの下部に塩がたまっている可能性があったからです。
でもコントローラーを剥がすのって結構勇気がいるんですよね…。
コントローラーを剥がしてみたら、めちゃくちゃ汚れていました。真ん中の2列の左下は腐食の具合が特に酷いですね。
音波洗浄だとなかなかチップの下までたどり着かないようです。
このコントローラーチップの洗浄を実施しました。
また、コントローラーチップを剥がすときに、半田のボールの形がくずれてしまったり、くっついてしまったりした箇所ができてしまいました。
そのため、一度半田をきれいにとってから、再度半田のボールをチップにくっつける必要があります。
この作業をリボールと言います。
リボールした後のコントローラーチップの様子はこちら。
腐食により緑色の絶縁体が若干剥れた部分もありますが、うまく機能することを信じて基板に装着します。
その結果…
見事認識しました!!
I/Oエラーもなく、非常にスムーズにデータ抽出完了。完全に復旧することができました。
水濡れSSDでお困りの際は、リボールもできるデータ復旧スクラッチラボへ是非ご相談ください!