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WD製SMR・SED搭載HDDの重度物理障害復旧事例(ヘッド破損・スクラッチ)

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WD製SMR・SED搭載HDDの重度物理障害復旧事例(ヘッド破損・スクラッチ)

ご依頼いただいたWD製HDDの外観

他社にて復旧不可と診断されたWestern Digital製HDDの復旧事例です。
本モデルはSMR(Shingled Magnetic Recording)方式を採用しており、高密度化に伴い制御システムが複雑で、データ復旧の難易度が非常に高い機種の一つです。

さらに「SED(Self Encrypting Drive)」という自動暗号化機能が搭載されているため、物理的な修復だけでなく、暗号化システムへの対処も必須となる高難度案件です。

内部診断:ヘッドの破損と部品の脱落

クリーンベンチ内で開封診断を行います。
本機は2.5インチの薄い筐体の中にプラッター(磁気ディスク)が5枚も格納されているモデルです。部品間のクリアランスが非常に狭く、少しの衝撃でも致命的な障害につながる傾向があります。

HDD開封時の内部状態

顕微鏡による詳細調査の結果、一番下の磁気ヘッドに深刻な破損を確認しました。
ヘッドの一部が剥離し、本来の位置から上方向に突き出す形で変形しています。

上方向に突き出して変形した一番下のヘッド

※一番下のヘッドが変形し、上部のプラッター面に干渉する角度で固まっています。

パーキングランプが破損しており、オレンジ色のプラスチック部品が内部に脱落している状況です。
この破片がプラッター上を回転することで、記録面に深刻な傷(スクラッチ)を発生させる原因となります。

ヘッドから剥離して内部に落ちていた部品

プラッター上のスクラッチ(物理的損傷)

突き出したヘッドや脱落部品の影響により、一番下のプラッター面に円周状のスクラッチが発生しています。

※プラッター表面の状態確認動画。

プラッター表面に発生したスクラッチ

※データ記録面が物理的に削られている様子。

この機種はプラッターが密集しているため、一度スクラッチが発生すると粉塵が循環し、他の面へも損傷が一気に広がるリスクがあります。

技術的な壁:SED(自動暗号化)の解除

本件をさらに困難にしているのが「SED(Self Encrypting Drive)」の存在です。
SED搭載機は、ユーザーが意識せずともプラッターへの書き込み時にデータを自動で暗号化し、読み出し時に自動で復号します。

正常な状態であれば問題ありませんが、本件のように物理障害が発生し、起動プロセス中にエラーフラグ(異常検知)が立つと、HDDの保護機能が働き、復号プロセスが停止します。
その結果、データ領域にアクセスできても、読み出せるのは「意味不明な暗号化データ」のみとなります。

このセキュリティ機構を回避し、正常なデータを読み出すには特殊な処置技術が必要です。

部品調達と復旧結果

復旧には適合するドナー部品(交換用ヘッド)が必要ですが、本モデルは適合条件が厳しく、市場での入手難易度および価格が高騰している傾向にあります。
最適なドナーを選定・調達し、物理的な処置を実施しました。

復旧作業中のHDD本体

スクラッチが発生している一番下の面(1面分)のデータ回収は物理的に困難でしたが、SEDの暗号化問題をクリアし、残る9面(10面中9面)の正常な読み出しに成功しました。

最終的に、全体の約91%のセクターを回収し、主要なフォルダ構造とファイルを維持した状態で復旧を完了しました。

まとめ

WD製SMRドライブかつSED搭載モデルの重度物理障害は、非常に難易度が高い案件です。
物理的な修復技術と、ファームウェアや暗号化に対処する論理的な解析技術の双方が求められます。

他社で断られた場合でも、条件が揃えば救出できる可能性があります。重要データでお困りの際はご相談ください。

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