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Buffalo HD-NRLD8.0U3 (Seagate ST8000VM006)スクラッチ障害(磁性体剥離)データ復旧

カテゴリ :

症状/障害判定

デバイスマネージャーでは認識するが、エクスプローラーで何も見れない。簡易診断では異音が発生。開封後、スクラッチ障害(磁性体剥離)と判定。

作業期間

2週間程度

復旧結果

正常なファイルを3.4TB程度復旧

作業内容

今回のデータ復旧の対象は、Buffalo製の外付けHDD HD-NRLD8.0U3

(黒いだけでBuffalo製の他のモデルと見分けもつきませんが…)

 

こちらが認識しないということで、分解し、内部のHDDを取り出してみると、Seagate製のHDDでした。モデルは「ST8000VM006」です。

このHDDを通電したところ、カチッカチッというスクラッチ障害におなじみの異音が発生します。

ただ、このHDD、あまり見たことのないモデル番号だなと思ったら、2023年製のかなり新しいものでした。(1年で壊れたのか…。)

データ復旧用の専用ツール「PC-3000」でも、このモデルのファミリーはリストに入っていませんでした。

HDDは「ファミリー」という分類が重要で、このファミリーごとに性質が大きく変わってきます。

たとえば、「ST2000DM001」や「ST3000DM001」は、「Grenada」というファミリーでスクラッチ障害が異常に多いです。(これとかこれとかこれです。)

ST1000LM035」や「ST2000LM007」は、「Rosewood」というファミリーでMediaCacheと呼ばれるファームウェアの障害が多いです。

このようにファミリーによって障害の傾向が異なります。また、制御の方法や有効な手段というのもファミリーごとに全く異なるので、ファミリー名を知るというのはとても重要なのですが、今回のモデルのファミリ―は起動前の時点では不明でした。

 

開封してプラッター(=HDDのデータを記録している円盤)の様子を見たところ、やはりスクラッチが発生していました。

 

ちょっとした動画ですが、こちらの方が分かりやすいかもしれません。

 

派手なスクラッチにはなっていないのですが、プラッターにしっかりと傷がついてしまっています

 

このHDDは4枚プラッターがあり、それぞれのプラッターに対して裏表が使われていたので、データの記録には合計8つの面が使用されていました。

そのうちの1面を除外した7面からデータを抽出し、データの記録に使われている領域の86.3%を取得しました。

復旧用ツールPC-3000にはリストされていないファミリーでしたが、従来の手法が問題なく使えたのは幸いです。

 

データを最大限抽出するのに結果的には2週間かかりましたが、お客様の必要なファイルの名前や場所が明確であったので、一部データの先渡しという対応を取らせていただきました。

必要なデータを早期に納品でき、お客様にはご満足を頂けたようで良かったです。

 

スクラッチ障害のデータ復旧は概して時間がかかりますが、可能な限り柔軟な対応を心がけています。

Buffalo製の外付けHDDやNASに障害があった際は、ぜひスクラッチラボへご相談ください。

 

ちなみに、こちらのHDDは「V15Pine」というファミリー名のようです。

 

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